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ディスクロードについて、書いてみようか
巷でやっと日の目を浴び始めたディスクロードです。
イベント会場では既に乗っている方もチラホラ見かけるように成りました。
え?ディスクロードって ナニ?って???
あ~~~
そうですね。
ロードレーサーの中で、新しいブレーキのシステムとしてディスクブレーキを使ったものです。
こんなブレーキが車輪の真ん中に付いています。
で!
なぜ、その話を書く気に成ったのか。 ですね。
当 Project-Kのブログをお読みいただいている方達は、
店長 栗田 がもう既に5年くらい前からディスクロードに乗り始めていた事はご存知かと思います。
*このブログ自体は2016年からですが(;^_^A
昨今 やっとディスクロードが普及し始めた?と言うのに、未だになぜディスクブレーキなのか?
と言うようなメディアの記事を読むにつけ、そこ違う! と言うような文章が見受けられるからなんです。
(まぁ、乗ってないライターが書いてもね。。ってのは有りますよね)
で、書いちゃおうかな? と。
その前に、私 その昔、MTBの選手でした。
その時代は、ディスクブレーキが出てくる前。
リムを止めるカンチブレーキ → Vブレーキ → 油圧リムブレーキ と来て、
ディスクブレーキが始まった頃もず~とレースを走っていました。
その経験も踏まえ、なぜロードにもディスクブレーキなのか。
そして、今後リムブレーキはどうなる? まで行ってみようかな?なんて。
先ず、
ディスクブレーキとリムブレーキって、ドッチが良いのか。
その利点と欠点って? です。
先ずはリムブレーキの利点と欠点。
利点
1:従来の資産が流用できる(いいホイールとかを持っていれば使いまわせる)
2:今まで乗ってきたから、安心感がある
3:軽量になる
欠点
1:雨の時にブレーキの利きが悪くなる
2:カーボンホイールだと長い下りで破損する心配がある
ですかね?
では、ディスクブレーキの利点と欠点
利点
1:雨でも制動力の差が少ない
2:荒れた路面でも確実に減速できる
3:ブレーキのコントロールが容易
4:リムブレーキより短い距離で止まれる:減速できる
5:カーボンリムを下りで破損する可能性が無い
欠点
1:フレーム&ホイールを新しくしなければ成らない
2:リムブレーキに比べて、自転車全体で500g~1kgの重量増になる
3:新しいから、使ったことが無いから不安
4:重くなる
こんな感じかな?
では、ディスクブレーキの利点として言われる
そして、それ故に、ディスクロードが良いんだよ と言われるブレーキの利きがイイと言われるお話
一部に、それは無い! と書くメディアも居ますね。
はっきり言いますね、、、「経験が足りない未熟者」です。
先ず、違いは無い と言う理由に
自転車が止まる為には(車も一緒ね)路面とタイヤのグリップの限界が重要なのだ
だから、タイヤの性能で制動距離は変わり、ブレーキの差ではない。と言う点。
(車のタイヤのCMなんかはココを強調していますね~~)
ここ。。肝心な所を見落としています。
確かに、路面とタイヤのグリップが重要なのですが、タイヤはホイールにハマって回っている物です。
そして、ブレーキは、ホイールを止めているんです。
リムブレーキは、リム(ホイールの外周)を止める
ディスクブレーキは、ハブ(ホイールの中心)を止める
この違いが有ります。
実は以前も一度書いたのです。
計測したデータが有る訳では無いのですが、リムブレーキでリムを挟んだ(固定した)状態のタイヤの接地力とディスクブレーキでハブを固定した状態(リムは固定されていない)のタイヤの接地力では、ハブを固定した状態の方が接地力が高くなるんです。
これは、ハブを固定した状態でも、スポークがしなる事でリム自体が路面の変化に柔軟に対応する為に、タイヤの接地状態が柔軟に成る。 んと 車のABSみたいな感じを想像してもらうと解りやすいかも?
なぜ、そういう話に成るのか?ですが、
ディスクブレーキと言うのは、制動力を上げる為にはディスブレーキ自体を大径化する事が大事です。
ゆえに、MTBのダウンヒル等では20cmの大きさのディスクブレーキを使用します。
*ロードは14cmか16cm
では、もっと大きくしたら、もっと止まる様に成るんじゃん? って思いますよね。
一番大きくしたら・・・・・
それはリムのサイズにしたら? と考えると、ものすごく利くブレーキになりそうです!
って・・・・それなら今のリムブレーキの方が利きそうじゃん!って思うでしょ。
実際に、地面に車輪を付けない状態で車輪を回転させ、それを止める力(ストッピングパワー?)はリムブレーキの方が上なんです。 では、なぜ制動力が重要なMTBの世界では、リムブレーキは使われないのか。
それは、荒れた路面を走るMTBでは、圧倒的にディスクブレーキの方が短い距離で止まる事ができ、圧倒的に容易に速度のコントロールが出来るから なんです。
これは、当然同じタイヤ・同じ路面での話です。
全ては、ディスクブレーキは、スポークを介してタイヤを止める事で、疑似ABS的な効果が表れ、不安定な路面でも、タイヤの接地力が上がり安定して制動力が上がる と言う事に繋がります。
これが、ディスクブレーキは、雨の日や荒れた路面でもブレーキが利く と言う事に繋がるんです。
事実 ミシュランは ディスクブレーキを使用した場合、約10%のグリップ力の向上が見られる とまで言っています。
と言う事で、どの様な路面状況でも、どのような天候でも
ディスクブレーキを使用したディスクロードの方が、スピードのコントロールや制動性能に置いて、リムブレーキよりも優れているのです。
んで、、、
ディスクブレーキって油圧と機械式って有るんでしょ?
油圧の方が絶対イイって言うよね。だって、引きも軽いって書いてるし。
そこの所もチョット違うんだな。
確かに、最近のブレーキや変速のケーブルが表に一切出ていないフレームでは
違いが有るかな???(未だテストしていないので何とも・・・未だ!ね(* ̄▽ ̄)フフフッ♪ )
が、ハンドルからブレーキワイヤーが出ているフレームの場合
機械式と油圧ブレーキで引きの重さにほとんど差は有りません。
実際に測ってみました~~~~~~~
コチラ、シマノ アルテグラ 油圧ディスクブレーキ
ブレーキレバーがチョット大きいんだよね~
ま、仕方ないんだけど。
で、
ブレーキレバーを引いて、途中で止めた状態の力は・・・
500g です
対して
えっと。。。旧型(5800)レバーなのは深い意味は無く・・(試乗車用だからね。。新しいの買えないし)
ブレーキレバーのサイズ感は、良くお判りでしょう。
はい、通常のレバーです。
同じようにブレーキを引いて 途中で止めて見ます。
ね。
殆ど差は無いでしょ?
試乗車で組んで有るので、イベント会場で聞かれる事が有ります。
「このブレーキは引きが軽いですが特殊なブレーキワイヤーを使用しているんですか?」 って
特殊と言えば、、、特殊かな?
シマノの デュラエースグレードのブレーキワイヤーを使っています。
最近は日泉ケーブルも使いますよ。
ま、市販品ですね~
*ちゃんと組めば、軽く成ります。ちゃんと組めばね・・・・・・
実際 油圧と機械式ブレーキでは、力率の違いが有り、若干油圧ブレーキの方が制動力上です。
しかし、機械式ディスクブレーキで制動力が足りない・・と思ったら、ブレーキローターを大きくするか、より利くブレーキパッドを使用すれば良いだけの話。
実際に私は、前後140mmの機械式ディスクブレーキで問題なく走っています。
これは何が言いたいのか と言うと
何となく、機械式ディスクブレーキはダメなんだ と言うような論調が多い中
いやいや、実際はそんなに変わらないよ? という事実を知ってもらいたくて書いてみました。
さて
ディスクロードって 重くなるんでしょ?
ってお話は。。。。
はい 重くなります。
でも、リムはブレーキ面が無くなるから、軽く成るんでしょ?
ってお話は。。。。
えっと。。。。10g位かな? 軽く成りますね。
そんなに多きな差は出ませんでした。。。orz
(カーボンリムメーカーとのお付き合いも長いので・・)
なぜ、重くなっちゃうのか。
将来は?? と言うと、
リムブレーキに対しては、ほぼ永遠に軽く成らないと思います。
それほどにロードのリムブレーキの構造は軽くできています。
ブレーキ本体のシステム的には、油圧ディスクブレーキは、リムブレーキに対して軽く成ります。
機械式ディスクブレーキで、ほぼ同じ重量です。
しかし、ハブ自体を止める構造の為、ハブの強度が必要に成り重くなります。
そして、同時にスポークにかかる負担も増える為に、本数が増え 重量増に成ります。
更に、今まで無かったディスクローター(車輪に着く円盤 これを挟んでブレーキを掛けます)が必要になる為、どうしても重量増に成ります。
(従来のディスクローターは100~140g程度 Project-Kの新しいアルミローターでも65g)
フレームも、今までと違うフレームの末端でブレーキを掛ける為に補強が必要なので、その分重くなります。
しかし~~
UCIレースの世界では、自転車の最低重量と言うのが有って、6.8kgより軽くてはダメなんですね。
昨年までの状態で、ディスクロードが大体7.2kgまで来ています。
今年中に6.8kgまで行くんじゃないかな?
ゆえに、UCIレースの世界では重い と言う話は無くなるでしょう。
が、UCIレースなんて関係ないし~
と言うのが大半の方達 当然私もそうです。
その場合は、軽さ命! ともかく自転車は軽くなきゃ! となると リムブレーキのバイクの方が絶対に軽く成ります。
なので~~~
リムブレーキのロードは無くならないでしょう。
特にヒルクライムの場合は、制動力もほぼ関係ありません。
ディスクロードのメリット と言われれ部分が全く必要ない世界なんですよね。
って考えると、ヒルクライム用としてリムブレーキの軽量バイク と言うのは、必要なんじゃないかな?
そう思うんですよ。
しかし、ヒルクライム以外では、カーブを曲がる為にブレーキを掛けたり、
下り坂で減速をする。止まる 等の為にブレーキの性能は絶対に必要な物です。
ゆえに、ロードもディスクロードがメインに成っていくんだろうな。
と思っています。
4/17追記
さて、
今までと違うフレームの末端でブレーキを掛ける為に補強が必要
と書いた所で、そういや書き足さなきゃ。。と思った部分が有るので(;^_^A
フレームの末端を補強し、なおかつ車輪の固定方法も強度を増した事で
乗り心地 と言う点ではかなりの劣化が見られた過渡期のディスクロードですが、
(*初期のディスクロードは乗り心地的にはあまり変わらなかった(劣化していない)ゆえに
ブレーキ時の剛性不足を言われる事も多かった)
最近は良い開発システムが有るのか?その乗り心地もかなり改善されました。
しかし、改善しきれていない部分も未だ有ります。
では、どう改善してきたのか?
従来のロードはどう変わって来たのか? を考えると
従来のロードですら、クロモリの曲がったフォークから
カーボンのストレートフォークに変わり、前輪の振動吸収と言う点は落ちました。
しかし、加速性能は良くなりましたね。
そして、アルミの薄いリムから、カーボンのディープリムに成り
スポークの組み方も、クロスした物から、ストレート(ラジアル組み)に成り・・
どれも、振動吸収と言う点からは、マイナスの変化です。
しかし、加速性能&スピード と言う点からはプラスの部分です。
その上で、ディスクロードも、カーボンストレートフォークをベースに
車輪の組み方やタイヤを太くする事で振動吸収性能を持たせる方向に変わり
フロント周りの振動吸収性はかなり良くなりました。
リヤに関しては、シートステーにブレーキが無くなった分
シートステーを撓らせる事が可能に成り
又、シートステーを寝かせた設計が出来る事で、後輪の上下方向に移動する力を逃がすことが可能に成りました。
その事で、初期とは違う乗り心地を確保する事が可能になってきています。
そして、チェーンステーを強化する事で、踏み込んだ力に対して受け止める方向に強度が上がり
よりダイレクトに加速するように変化してきています。
*これは、ディスク・ノンディスク関係なく、ロードとしての進歩なんでしょう
これらは、道が良くなってきた為に、振動吸収の必要性が減ってきた。
ゆえに、振動吸収を優先するが為にロスしていた部分をロスする事なく進む力に変化させる事が出来るように成ってきた。そのうえで、素材の変化から素材自体の持つ振動吸収性
更には設計の自由度からくる今までとは違う方向に撓ら衝撃を吸収する考え方が可能に成った。
また、タイヤが良くなった事で、タイヤでも振動吸収できるように成ってきた。
と言う点が有ります。
*そういえば、ここ数年タイヤは太くなってきていますね(笑)
等を含め、
軽量化・乗り心地重視ならば、従来のキャリパーブレーキだろうけれど
その両方ですら、ディスクロードは追いつきつつある。と言うのが現状です。
さて、、
長々と書いてみましたが・・
解かったかな?????
文章下手なもんで、伝わりにくいよね。。
結局 ディスクロード ってイイよ~~
ってお話でした(;^_^A
(ほんと、文章下手だな・・・・orz)